過酸化水素の特徴と利用法

過酸化水素の特徴

過酸化水素は化学式で H2O2と表記する化合物(2種類以上の元素からできている物質)です。場合によって過水と略して呼ばれることもあり、水溶液は主に酸化剤、殺菌剤、漂白剤として利用されることが多くなっています。

 

過酸化水素の性質上の特徴ですが、常温の環境下では無色で水より若干粘度の高い弱酸性の液体となっています。溶けるのはエタノール、エーテル、水などで、僅かにオゾンのような臭いがしますが、不安定な物質でもあり、酸素を放出しやすく、ヒドロキシラジカルという大変強力な酸化力を持つ物質を生成しやすくなっています。

 

このヒドロキシルラジカルとはヒドロキシ基(水酸基)に対応したラジカルで、化学式はOH と表記され、一般に活性酸素と呼ばれる分子種のうちで最も反応性が高く、最も酸化力が強い物質です。

 

ヒドロキシルラジカルは糖質、タンパク質、脂質などいろいろな物質と反応しますが、反面、その反応性の高さから通常の環境下においては長時間存在することができずに生成後はすぐに消滅します。

 

又、過酸化水素は活性酸素の一種ですが、不対電子をもつ原子や分子、イオンのことを指すフリーラジカルではありません。

 

注意する点は強い腐食性を持っていることで、高濃度の過酸化水素が皮膚につくと白斑が生じて痛みも伴います。更には過酸化水素が可燃物と混合することで過酸化物を生成して発火することもあります。科学の実験室では酸素を得る時に使用されます。